本学科においてシラバスは、各教科の公式ガイドブックという位置付けを持ってい る。
各教科がどのような内容を、どのようなペースで教えてくれるのか、ということを 知りたければ、このシラバスの各教科説明における概要、目的などを見れば良い し、どのように成績を決定するのか、ということを知りたければ、評価方法に目 を通せば良い。
このセクションでは、新入生を想定し、各教科の受講の仕方と講義における常識な どについて更に説明する。
高専の講義と中学までの講義との大きな違いはノートの使いかたに出てくる。 まず、中学までノートを取ったことのないという学生は、直ちにノートを準備する べきである。 これまで、本学科において、ノートを取ったことのない学生は、高学年時の進級 において必ず進級に苦労するほど成績が悪化している。
高専において講義される内容は専門性の高い、高度な内容が多い。 そのため、ノートするべきポイントは自分で判断しなくてはならない。
教員によっては大切な部分を集中して解説し、そのため、周辺の内容は諸君らの自 習に期待する方もいらっしゃるし、逆にどの内容も同じ程度で講義をされる方も いる。 講義内容全てが黒板に書かれるとは限らない、ということは重ねて注意しておき たい。 教員は学生諸君の理解を助けるため黒板を使用するのであって、君、個人が理解 していない部分を板書して説明するとは限らないのである。
ノートの取り方が判らないというものは、「飯高茂/編・監修 微積分と集合 その まま使える答えの書き方」などが参考になると思われるので、一読をお薦めする。
高専の講義は、大学をモデルに行われる場合もある。 大学における講義で、大学生は、講義を聞きながら、理解し、要点をまとめて、ノー トに書くということが同時に求められる。 高専は大学ほどではないが、ある程度まで、同時に全てをこなす必要がある。
もし、自分の理解力に自信がない場合は、シラバスの講義計画を基に、ある程度ま で、予習を行うことが必要である。
ノートは二種類準備しておく方が良いかも知れない。 一冊は講義で使用し、もう一冊は、講義の終わった後、自室で、講義内容をまと めるために使用する、というものである。 復習は、その日のうちに行うべきである。
図書館において、参考書を利用して、該当する分野の問題を解き、きちんと理解で きたか、チェックすることなども行う方が望ましい。
中学までの場合と異なり、諸君らを教える教員は学位を持っていたり、社会に出て 働いていたりなど、豊富な専門知識と経験を持っている方である。
そのことを自覚し、教員に話しかける場合は、敬語を使用すること。 敬語を話すことは、社会に出てから非常に役に立つ。 今から、きちんと敬語の使用を訓練しておくと、就職にせよ、進学にせよ、諸君 らに有利に働く。
質問は、講義中に行うものと、講義時間外に行うものの二種類ある。
講義中に質問をしても、講義の流れを大切にする教官の場合、その場で、すぐには 答えてもらえないこともあるようである。 このような場合、講義が終わってから、再度、質問にいくべきである。
学生からの質問の内容として、教員が困るものは曖昧な内容のものである。
諸君は質問を行うとき、
講義時間外に質問をしにいく場合、オフィスアワーであっても、予め、その教員の 都合を聞いて、予約しておくことが重要である。 教員に質問に行くつもりで予約したにも関わらず、諸君らの都合がつかなくなり、 予約時間に質問が出来ない、ということは、避けること。 もし、そのような事態になったら、きちんと連絡し、その教員に謝罪しておくこ と。
試験は中学の場合と質が異なる。 最初の試験で、ひどい点数を取り、慌ててしまったり、しょげてしまったりする 学生も出るようである。 しかし、これは、諸君らの能力に問題があるわけでないことを保証する。
中学までの勉強方法と高専における勉強方法は、異なるものであり、それになれ ていないだけである。 このことを肝に命じて、自己研鑚に勤めてもらいたい。
今後の高専生活が実り多き内容となることを願ってやまない。