2 各教科目の分類と関連

●情報関連知識・技術・理論

本科目群では、計算機の動作原理から応用について理解するのに不可欠な技術や知識を基礎から講義する。この分野の技術の進展は目を見張るものがある。それゆえ、基礎概念を十分理解することが大切である。1学年から3学年までは、具体的な基礎概念の教授が中心となり、4学年、5学年においては、ソフトウェアで使用される概念の抽象的な取り扱いと具体的なソフトウェアの応用について学ぶ。それゆえ、以下の三つの科目群において講義が展開される。

情報処理技術基礎
本科目群では,コンピュータ技術者としての基礎知識やソフトウェアを作成・運用するための技術を教授する。情報処理基礎及び計算機入門ではコンピュータに係わる基礎的な知識,電子計算機及び情報処理ではコンピュータを実現している理論・技術をソフト/ハードの両面から教える。また、データ構造とアルゴリズムでは、C言語およびオブジェクト指向言語(C++)を学びながらソフトウェアを作る技術を中心に教授する。さらに、オペレーティングシステムでは、コンピュータのハードウェアとソフトウェアを仲介し、制御管理する基本技術について教授する。本科目群は演習科目と密接に関わっており、講義で学んだ内容を演習で実際に作ることにより深く理解できるように組み立てられている。本科目群を履修後には、「基本情報技術者試験」、「ソフトウェア開発技術者試験」、「デジタル技術検定2級」、「CG検定2級」の資格取得を奨励する。
情報数学
本科目群は、計算機を使用するとき不可欠となる数学的な知識や抽象的な思考の訓練の場を提供する。離散数学では、集合、写像、グラフなどの基本概念と確率論、情報理論を中心に講義する。工学数理では確率・統計を、応用数学では複素関数論、ラプラス変換、フーリエ解析の基礎を応用面から教授する。
知的ソフトウェアを作る技術
本科目群は,コンピュータの計算能力や表示能力を駆使して,種々の工学的問題にコンピュータを応用するための理論や技術を身につける事を目的としている。数値解析では離散数値データの利用法、代数・連立・微分方程式・行列の解法、図形処理では、コンピュータに形状を表現しそれを可視化するための技術、計算機シミュレーションでは種々の工学的な問題を、コンピュータを用いてシミュレーションする技術、データベースシステムでは種々の分野で利用されているデータベースの仕組みや利用法、人工知能ではコンピュータにより人間的な処理をするための技術や理論について教授する。 ソフトウェア工学では抽象的な計算機を対象に計算理論の基礎について数学的に取り扱う。