2 各教科目の分類と関連

●体験学習教科

実践的技術者の育成に必須な体験学習プログラムが低学年から多くの時間が用意されており、体験学習に基づく新たな発見、モノをつくる喜び、創造力の養成などを目指している。

プログラミング演習I、II、III
1学年から3学年を通してコンピュータの利用方法とプログラミングについて教授する。1学年においては,基本的なコンピュータの操作方法とインターネットの利用方法(ネチケット)を教授した後、C言語によるプログラミングを行い、特に文法を習得させることを目的として教授する。 2学年においては、種々のデータ構造およびアルゴリズムの実現方法をC言語を用いてプログラミングすることによって教授する。3学年においては、C++言語を用い、オブジェクト指向プログラミングの基礎について教授する。

メカトロニクス演習I、II、III
ハードウェアを構築する際に必要となる基礎知識および技術の習得を目的とし、1学年から3学年を通して約3名の小グループ単位で小規模なロボットシステム:EVOROBO(EVOlutive ROBOt:進化するロボット)の設計・製作演習を行う。1学年では論理回路を頭脳とするロボットを設計・製作し、主として情報伝達における電気の役割と論理回路に関する理論と技術について学習する。2学年では論理回路の応用技術を学んだ後、順序回路、CPLD、PICマイコンを搭載した3種類のロボットを設計・製作し、コンピュータ制御の基礎について学ぶ。3学年ではボード型Linuxコンピュータ+無線LANをロボットに搭載し、その制御をC言語により開発する。汎用OS、C言語によるハードウェア制御について学習する。

創造設計
1学年から3学年までの制御情報工学演習で習得したソフトウェアとハードウェアの知識と技術を集大成し、コンピュータを応用した複合機器システムを学生が自ら企画し、設計、製作、デモンストレーションまでの創造的体験学習を行なう。無から有を創造する一連のプロセスを、複数のメンバーからなるプロジェクト作業で進めることにより、各過程において必要とされる基礎的知識と技術の応用能力、企画力、創造力、問題の発見・解決能力、総合的判断力、ドキュメント作成能力、プレゼンテーション能力および共同して作業を進める姿勢など、体験を通して総合的に学習する。

工学実験I、II
各教員が専門分野とするテーマについて小人数のグループで実験を行ない、データの計測・解析手法ならびに報告書のまとめ方について体験的に教授し、第三者へ情報発信できる文章作成能力の養成をはかる。

卒業研究
5年間の一貫教育を総括する教科であり、12名の教員による個別指導のもとに、技術的な問題の発見とそれを解決するための方策の立案と実行、そしてそこから得られた結果を報告書にまとめ、口頭発表で第三者に理解させることを体験的に学ぶ。それらを通して自ら学習する力、知識と技術を応用し問題解決できる力、発表や討論できるコミュニケーション力、創造力など、技術者に求められる総合的な能力の育成を目指す。